「ひとりの樹」
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ひらひらひらひら。
ひよこぶたと同じ色の春のしるし。
森でひとりだけの彼女。
同じ種族の仲間が、この森にはいない。
さみしくはないのかしら―――。
ひよこぶたは思った。
彼女はひよこぶたの心をのぞいたようにささやいた。

さみしくはないわ。同じ種族の仲間はいなくても、
一緒に生きるなかまはいるもの。
あなたもそうでしょう?

ひよこぶたはうん、とうなずいた。


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