「タンポポのむすめさん」
少し暑いくらいの日のことでした。
ひよこぶたはかたい地面からしゃっきりと立つ、タンポポのむすめさんに会いました。
ほかのタンポポたちはもうとうに咲き終わって、わたげの子どもたちを送り出したあとでしたので、ほとんど枯れていなくなっていました。
そのタンポポのむすめさんはというと、少しばかり咲き遅れてしまったのでした。
私もお母さんになれるのかしら。
黄色い頭を揺らしながらそう言ったタンポポのむすめさんは、いつか森で見た別のタンポポのむすめさんに似ていました。
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